猛暑をやり過ごすためのサウンドトラック - 作品解説
1. Various Artists - Edna Martinez Presents Picó: Sound System Culture From The Colombian Caribbean (Strut Records)
コロンビアのカリブ海沿岸地帯で発展したサウンドシステム文化「ピコ」を探求したベルリンのDJ、エドナ・マルティネスによる編集盤。庶民の祝祭の場として栄えたピコから生まれた音楽を16曲収録。チャンペータ、ハイライフ、ルンバ、ズークといったカリビアン音楽のパワーが詰まった、基本的にダンスのための音楽集。
2. KiF Productions - Still Out
ザ・KLFの名作『Chill Out』へのオマージュ・アルバム。ミュージシャン兼プロデューサーの幼なじみ、ウィル・クックソンとトム・ハヴェリーがデボン海岸の孤立した小屋で録音。英国の田園地帯を意識した牧歌的な心地よさと瞑想的な音響が相まった作品。聞き流しもできるが、『Chill Out』ファンは注意深く聴いてしまう魅力がある。
3. Pan American & Kramer - Interior of an Edifice Under the Sea (Shimmy-Disc)
シカゴのパン・アメリカ(マーク・K・ネルソン)と元1/2ジャパニーズで〈シミー・ディスク〉のクラマーによる2度目のコラボレーション作品。絵画的で素晴らしいアンビエント・ミュージックとなっており、秋でも冬でも聴いていられる至高のミニマル・ミュージック。パン・アメリカのギター・サウンドは基本的に暑くならない特徴がある。
4. Madalitso Band - Ma Gitala (Bongo Joe)
アフリカ南東部の美しく貧しい国マラウイから届いた素晴らしい音楽。ギターを持ってほこりっぽい路上で演奏された音楽が数年かけて磨かれ、世界中にファンを増やしている。スイスのレーベルからの3枚目のアルバムで、まったく飾り気のないシンプルな演奏が聴ける。最高に楽しい演奏が猛暑をぶっ飛ばす力を持つ。
5. Lophae - Perfect Strangers (Gregory J E Sanders)
UKジャズ・バンド、ロ・ファイのデビュー・アルバム。グレッグ・サンダース(ギター)、ベン・ブラウン(ドラム)、トム・ハーバート(ベース)、サム・レイプリー(サックス)から成る。総じてメロディアスで、ゆったりとした演奏が魅力的。UKらしくボサノヴァやラテンも入り、特に目新しさはないが確実に役に立つ音楽。
6. Biosphere - The Way of Time (AD93)
ノルウェー・オスロ在住のアンビエントのベテラン、バイオスフィアがロンドンの〈AD93〉からリリースしたアルバム。透明感のある心地よい寒さが部屋に広がり、没入感は抜群。曲中には1951年のラジオ・ドラマ『The Way of Time』の台詞がカットアップされており、スカンジナビア半島の気分を味わえる冷涼なアンビエント作品。
7. Jonny Nash - Once Was Ours Forever (Melody As Truth/Plancha)
オランダ出身で日本で人気のジョニー・ナッシュの新作。池田抄英(マヤ・オンガク)、トモ・カツラダ(ex幾何学模様)、サトミマガエが参加。フォーク、アンビエント・ジャズ、ドリーム・ポップの境界をまたぐアルバムで、やたら気持ちいいサウンドに包まれながら、オレンジ色の夕陽を見てチルできる作品。
出典: ele-king「猛暑をやり過ごすためのサウンドトラック」
URL: https://www.ele-king.net/review/sound_patrol/011849/